― 臭気対策・資源循環・土壌還元をつなぐ炭床敷料の提案 ―

近年、畜産分野では、単なる畜舎内の衛生管理だけでなく、臭気対策・資源循環・堆肥価値向上・環境配慮を一体で考える動きが広がっています。
特に欧米では、再生型農業(Regenerative Agriculture)や循環型農業(Circular Agriculture)の考え方が普及しており、畜産においても、敷料・畜ふん尿・堆肥・農地還元を一連の流れとして捉える考え方が注目されています。
こうした中で、畜舎内での臭気・湿り対策と、使用後の堆肥化・土壌還元の両立を目指す素材として、バイオ炭を活用した炭床敷料が注目されています。
さらに、近年は世界的な地政学リスクの高まりや円安の進行により、石油・天然ガス由来の化学肥料において、価格上昇や供給不安のリスクが懸念されています。
こうした背景からも、畜舎内での使用後に堆肥化・農地還元までつなげやすい循環型資材への関心が高まっています。

株式会社ユー・イー・エスのSDG-12は、こうした考え方に対応するために提案する、循環型畜産資材としての炭床敷料です。

1. 畜産分野で広がる循環型活用の考え方

従来、畜産現場における敷料は、主に吸湿性や作業性を重視して選定されることが一般的でした。
しかし近年では、単に「敷いて終わり」の資材ではなく、畜舎内の環境改善、臭気の抑制、使用後の堆肥価値、農地への還元性、炭素固定や環境価値までを見据えた資材設計が求められるようになっています。
特に、欧米を中心に広がる再生型農業や循環型農業の考え方では、畜舎内で使った資材を、使用後に堆肥化し、農地へ戻すまでを一つの循環として捉えます。
こうした循環型の考え方において、バイオ炭は、畜舎内での臭気対策、使用後の堆肥化、土壌改良、炭素固定までをつなぎやすい素材として、親和性の高い材料といえます。

2. 畜舎内で求められる臭気・湿り対策

畜舎内では、臭気や床面の湿りが日常的な課題となります。
代表的な課題として、アンモニアを中心とした臭気問題や、水分過多による衛生環境の悪化が挙げられます。アンモニアは畜舎内の不快臭の原因となるだけでなく、近隣への悪臭問題にもつながります。
また、敷料が過湿状態になると、悪臭発生の促進、衛生環境の悪化、家畜の休息環境の低下といった問題が起こりやすくなります。
特に床面近くの湿りが強い状態が続くと、畜舎内の環境悪化を招きやすく、家畜のストレス増加や衛生管理負荷の増大にもつながるため、湿り対策は重要です。
そのため、畜舎内の臭気対策は、単なる「臭いの問題」ではなく、作業環境・近隣対策・飼養環境の改善にも関わる重要なテーマです。

3. 炭床敷料という新しい選択肢

こうした課題に対して注目されているのが、炭床敷料という考え方です。
炭床敷料とは、おが粉・ワラ・もみ殻などの通常敷料に、炭素材を組み合わせて使用する方法です。
例えば、通常敷料に混合する、床面近くに炭を下層敷設する、湿りやすい箇所に重点配置するといった使い方が考えられます。
このように炭素材を併用することで、臭気成分の吸着、水分保持・湿り対策、アンモニア揮散の抑制、使用後の堆肥価値向上が期待できます。
また、床面近くの湿りを緩和しやすくなることで、畜舎内環境の安定化や、衛生面の悪化リスク低減にもつながることが期待されます。
さらに、使用後の敷料はそのまま堆肥化・農地還元までつなげやすく、畜舎内対策と資源循環を一体化しやすいことが大きな特長です。

4. SDG-12の特長と、一般的なバイオ炭・燻炭との違い

SDG-12は、日本国内の間伐材を燃料とするバイオマス発電由来の残渣(バイオ炭)を基材とした、循環型畜産向けの炭床敷料です。
国産の未利用木質資源を有効活用し、バイオマス由来の炭素材料として、土壌還元時に炭素を比較的安定して保持しやすい点が特長です。
このため、単なる敷料補助材ではなく、環境配慮型の循環資材として提案しやすい素材です。
一方で、一般的なバイオ炭をそのまま敷料用途に使う場合には、粉体の飛散、散布しにくさ、現場での扱いにくさといった課題があります。
また、一般的な籾殻燻炭は、土壌改良材として広く使われていますが、畜舎内での臭気対策・吸着性能・湿り対策を主目的とした場合には、十分な性能が得られないケースもあります。
SDG-12は、株式会社ユー・イー・エスがこれまで培ってきた活性炭の加工技術、脱臭用途の知見、取り扱い性への配慮を活かし、「使いやすさ」「臭気・湿り対策」「資源循環性」を両立しやすいように設計した炭床敷料です。

5. SDG-12導入による期待効果

SDG-12の導入により、畜舎内から堆肥・農地還元まで、さまざまな効果が期待できます。
アンモニアを中心とした臭気成分を抑えやすく、畜舎内の作業環境改善や近隣への悪臭対策にもつながります。
また、敷料内の過剰な湿りを緩和し、床面近くの環境安定化にも寄与します。
床面環境が安定しやすくなることで、畜舎内の衛生環境改善や、湿潤由来のトラブルリスク低減にもつながることが期待されます。
床面環境が安定しやすくなることで、畜舎内の衛生環境改善や、湿潤由来のトラブルリスク低減にもつながることが期待されます。
さらに、アンモニアの揮散を抑えることで、本来失われやすい窒素成分を堆肥中に残しやすくなり、堆肥の肥料価値向上も期待されます。

5-1. SDG-12の脱臭試験結果

SDG-12について、アンモニア(NH₃)・メチルメルカプタン・硫化水素を対象とした脱臭試験を実施しています。
【試験条件(ブランク濃度)】

  • アンモニア(NH₃):110 ppm
  • メチルメルカプタン:25 ppm
  • 硫化水素:9.5 ppm

【SDG-12 脱臭試験結果】

   減少率    (測定値)
アンモニア脱臭率   92.30%    (7.5ppm)
メチルメルカプタン脱臭率   99%以上  (< 0.2ppm)
硫化水素脱臭率   99%以上  (< 0.07ppm)

【試験結果のポイント】

  • アンモニアに対して92.30%の高い脱臭率
  • メチルメルカプタンに対して99%以上
  • 硫化水素に対して99%以上

畜舎臭気の主要因となる「アンモニア+硫黄系臭気(メチルメルカプタン・硫化水素)」の両方に対応しやすい結果が確認されています。
特に、メチルメルカプタンや硫化水素のような硫黄系臭気は、低濃度でも強く不快に感じられやすいため、近隣悪臭対策の観点でも重要な評価項目です。
このため、SDG-12は、単なる敷料補助材ではなく、畜舎内の臭気対策と近隣環境配慮を両立しやすい循環型畜産資材として提案しやすい素材です。
また、使用後の敷料は、堆肥化・土壌還元まで見据えて活用しやすく、地域内での有機物・養分循環に貢献しやすい資材です。
バイオ炭は土壌中で比較的安定して存在しやすいため、炭素固定(カーボンシンク)の観点でも親和性があります。
加えて、近年は世界的な地政学リスクの高まりや円安の進行により、石油・天然ガス由来の化学肥料において、価格上昇や供給不安のリスクも懸念されています。

そのため、地域内資源を活用し、堆肥の価値向上や農地還元までつなげやすい循環型の考え方は、経営面でも重要性を増しています。

6. まとめ ― 畜舎内対策から土壌還元まで ―

SDG-12は、単なる敷料補助材ではなく、畜舎内の臭気対策、湿り対策、近隣悪臭対策、畜舎内環境の改善、堆肥価値向上、農地還元、炭素固定・環境価値までを一体で考えやすい、循環型畜産資材です。
従来の敷料では、「畜舎内で使って終わり」になりがちですが、SDG-12は、使用後の堆肥化・土壌還元まで見据えた提案がしやすいことが大きな特長です。
株式会社ユー・イー・エスでは、畜舎の構造や敷料条件に応じて、使用量、敷設方法、下層敷設/混合の使い分け、他資材との併用などのご提案も可能です。

畜舎内の臭気対策と、資源循環・環境配慮を両立したい場合は、ぜひ一度ご相談ください。